長周期地震動:周期2秒以上のゆっくりとした揺れ
地震波は震源断層の地盤構成や破壊速度の違いによって、いろいろな周期の波が発生して混在したかたちで伝わります。中小規模の地震では、周期が1秒程度までの波が卓越する傾向があります。
周期1秒以下の「超短周期地震動」、「短周期地震動」の場合、建物の倒壊は比較的少ない一方で、屋内の被害が発生しやすくなります。
周期1〜2秒の「やや短周期地震動」はいわゆる「キラーパルス」と呼ばれ、木造家屋など比較的低層の建物に大きな被害を及ぼしやすくなるため、注意が必要です。
周期2秒以上が「長周期地震動」として分類されます。この周期の揺れは高層建築物に影響し、高いビルなどが大きく揺さぶられます。
震源が浅く、規模の大きな地震では長周期の波の影響が顕著になる傾向があります。今回の地震も震源の深さが浅く、規模も大きかったため、長周期の波が発生して伝わりやすかったと考えられます。
周期1秒以下の「超短周期地震動」、「短周期地震動」の場合、建物の倒壊は比較的少ない一方で、屋内の被害が発生しやすくなります。
周期1〜2秒の「やや短周期地震動」はいわゆる「キラーパルス」と呼ばれ、木造家屋など比較的低層の建物に大きな被害を及ぼしやすくなるため、注意が必要です。
周期2秒以上が「長周期地震動」として分類されます。この周期の揺れは高層建築物に影響し、高いビルなどが大きく揺さぶられます。
震源が浅く、規模の大きな地震では長周期の波の影響が顕著になる傾向があります。今回の地震も震源の深さが浅く、規模も大きかったため、長周期の波が発生して伝わりやすかったと考えられます。
長周期の波は遠くまで伝わりやすい

長周期地震動は短周期地震動に比べて遠くまであまり減衰せずに伝わります。この図は日本国内の観測点での微少な揺れの観測状況です。15時28分すぎから振幅に変化が出ていることがわかります。また、15時09分頃には国内で発生したとみられる微小地震の波形もみられます。
詳細に波形をみると、15時28分すぎからの波形は様々な周期が混在している中で、15時09分頃に見られるような短周期の小刻みな成分はあまり見られず、周期が数秒〜10秒以上ある波が際立っているように見えます。短周期の波よりも長周期の波のほうが減衰せずに伝わったかたちです。なお、日本国内では長周期地震動階級1に届くような大きな振幅は観測されていません。
タイ・バンコクは震源から約1,000kmほど離れていて、地震の規模と距離の関係から「通常の揺れ」は震度3程度以下であったとみられます。詳細な波形のデータが入手できないため断定は出来ないものの、日本と同様に長周期の波のほうが減衰せずに伝わったと考えられ、日本よりも震源に近いため長周期地震動が比較的大きな規模になったと考えられます。
現地の映像を見ると、地上ではさほど大きな混乱がみられない一方で、特に高層建物がゆっくりと大きく揺さぶられ、ビルの上階ではプールの水が飛び出すなどの現象がみられました。これらは長周期地震動の被害の特徴にあてはまります。
» 関連記事「ミャンマーでM7.7の地震 津波の心配なし 周辺で激しい揺れか」
詳細に波形をみると、15時28分すぎからの波形は様々な周期が混在している中で、15時09分頃に見られるような短周期の小刻みな成分はあまり見られず、周期が数秒〜10秒以上ある波が際立っているように見えます。短周期の波よりも長周期の波のほうが減衰せずに伝わったかたちです。なお、日本国内では長周期地震動階級1に届くような大きな振幅は観測されていません。
タイ・バンコクは震源から約1,000kmほど離れていて、地震の規模と距離の関係から「通常の揺れ」は震度3程度以下であったとみられます。詳細な波形のデータが入手できないため断定は出来ないものの、日本と同様に長周期の波のほうが減衰せずに伝わったと考えられ、日本よりも震源に近いため長周期地震動が比較的大きな規模になったと考えられます。
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気象庁では2023年から、強い地震を検知した際には緊急地震速報で震度だけでなく長周期地震動階級も予測して発表しています。ビルの高層階などで長周期地震動の情報を受け取った場合は、棚や机などの転倒や移動・落下に注意しながら、慌てずに身の安全を確保するようにしてください。
» 国内の地震情報一覧
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