今年の桜の咲き方は?
昨年は宮崎などでソメイヨシノが咲き揃ったときの花の量が例年より少なかったという報告がありました。
「桜は開花してもだらだらと咲くと、早く咲いた桜が散ってから遅く咲いた桜が残るので、桜の木の全体が一斉に咲き揃うような『通常の咲き方』が見られなくなります。
だらだらと咲く背景には冬の高温が考えられます。
一般的に桜は開花前年の夏ごろに花芽(はなめ)が作られ、それが秋から冬にかけて、生長しないようにいったん休眠します。
その後、桜の花芽が再び生長するためには、3〜10℃前後の低温による『休眠打破(きゅうみんだは)』が必要です。ところが、冬の気温が高いと『休眠打破』が充分に行われず生長が遅れるため、だらだらと咲くのです」(伊藤先生)
「桜は開花してもだらだらと咲くと、早く咲いた桜が散ってから遅く咲いた桜が残るので、桜の木の全体が一斉に咲き揃うような『通常の咲き方』が見られなくなります。
だらだらと咲く背景には冬の高温が考えられます。
一般的に桜は開花前年の夏ごろに花芽(はなめ)が作られ、それが秋から冬にかけて、生長しないようにいったん休眠します。
その後、桜の花芽が再び生長するためには、3〜10℃前後の低温による『休眠打破(きゅうみんだは)』が必要です。ところが、冬の気温が高いと『休眠打破』が充分に行われず生長が遅れるため、だらだらと咲くのです」(伊藤先生)

宮崎の昨年1月の平均気温は9.3℃、2月は12.2℃と平年値の7.8℃(1月)、8.9℃(2月)に比べて1.5〜3℃も高い状態でした。
一方、今年の平均気温を見ると、1月7.6℃、2月7.3℃と平年を下回りました。つまり、この冬は「休眠打破」が順調に行われたと思われます。平年に近いのは宮崎だけでなく、東京も同じです。
「冬の気温が平年に近いということは、今年の桜は去年とは違い、より通常に近い咲き方をするだろうと予想できます」(伊藤先生)
一方、今年の平均気温を見ると、1月7.6℃、2月7.3℃と平年を下回りました。つまり、この冬は「休眠打破」が順調に行われたと思われます。平年に近いのは宮崎だけでなく、東京も同じです。
「冬の気温が平年に近いということは、今年の桜は去年とは違い、より通常に近い咲き方をするだろうと予想できます」(伊藤先生)
桜の開花前線に異変?
今年は通常に近い咲き方になりそうな桜ですが、近年は地球温暖化が桜の開花に異変をもたらしていると言います。
「その一つが、開花日が早まったことです。基本的に『休眠打破』後は気温が高くなるほど桜の生長が早くなるので、3月の気温が高いと桜の開花も早くなります」(伊藤先生)
実際に東京の開花記録を見ると、3月の平均気温が上昇するにつれて開花日が早まっているのは明らかです。1980年代の10年平均は、3月30日頃の開花だったのに対して2020年代は3月19日頃と、40年で10日以上も早くなっています。
「その一つが、開花日が早まったことです。基本的に『休眠打破』後は気温が高くなるほど桜の生長が早くなるので、3月の気温が高いと桜の開花も早くなります」(伊藤先生)
実際に東京の開花記録を見ると、3月の平均気温が上昇するにつれて開花日が早まっているのは明らかです。1980年代の10年平均は、3月30日頃の開花だったのに対して2020年代は3月19日頃と、40年で10日以上も早くなっています。

近年、特にこの傾向が顕著で、2021年の東京は2020年に続き2年連続で、過去最速である3月14日に開花が発表されました。また、2021年は開花を観測している全国48地点のうち、その半数以上にあたる28地点で、開花日が観測史上最早(タイ記録を含む)となったのです。
この気温上昇と関係して、桜の咲き方にも異変があると言います。
「一般的に桜は、『開花前線』と呼ばれるように、九州・四国・東海・関東南部で早く開花し、その後、北へ開花が移っていきます。
ところが近年は、広範囲で一斉に開花する傾向が見られるようになりました。
これは3月の気温上昇で南東北・北関東・北陸などの桜の開花が早まる一方で、暖冬だと九州など温暖な地域では『休眠打破』が順調に行われず、生長が遅れる傾向があるためです」(伊藤先生)
この気温上昇と関係して、桜の咲き方にも異変があると言います。
「一般的に桜は、『開花前線』と呼ばれるように、九州・四国・東海・関東南部で早く開花し、その後、北へ開花が移っていきます。
ところが近年は、広範囲で一斉に開花する傾向が見られるようになりました。
これは3月の気温上昇で南東北・北関東・北陸などの桜の開花が早まる一方で、暖冬だと九州など温暖な地域では『休眠打破』が順調に行われず、生長が遅れる傾向があるためです」(伊藤先生)

上のグラフは福島と鹿児島の50年間の開花日の推移を表したものです。福島では徐々に早まっているのに比べて、鹿児島ではあまり変化がありません。
2020年には、観測史上初めて福島のソメイヨシノが鹿児島よりも早く咲くという逆転現象が発生するなど、南北の桜の開花日が近づいてきていることが分かります。
「『休眠打破』がうまくいかないと、生長が遅れるだけでなく、今後は満開にならないところや、ひいては桜が開花しない地域も出てくる可能性があります。
花見など季節感を感じる四季の行事や習わしは、日常に変化をもたらし、暮らしを楽しむために伝えられてきた生活の知恵で、四季折々に豊かな文化を生み出しています。
春の象徴である満開の桜を見られなくなれば、消失感が大きいのは私だけではないでしょう。それにまつわる言葉、文化、行事もなくなるので、大げさに言うとひとつの季節がなくなるということかもしれません。
そして、桜の変化はひとつの象徴に過ぎないのです。これまでにないような豪雨や猛暑といった大変なこともすでに起こっています。
こうした事態を防ぐためにも、何としても温暖化を止めたい。それが私の心からの思いです」(伊藤先生)
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
» 【気候変動特集】ウェザーニュースと考える地球の未来
» お天気ニュース記事一覧
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)空ごよみさん
2020年には、観測史上初めて福島のソメイヨシノが鹿児島よりも早く咲くという逆転現象が発生するなど、南北の桜の開花日が近づいてきていることが分かります。
「『休眠打破』がうまくいかないと、生長が遅れるだけでなく、今後は満開にならないところや、ひいては桜が開花しない地域も出てくる可能性があります。
花見など季節感を感じる四季の行事や習わしは、日常に変化をもたらし、暮らしを楽しむために伝えられてきた生活の知恵で、四季折々に豊かな文化を生み出しています。
春の象徴である満開の桜を見られなくなれば、消失感が大きいのは私だけではないでしょう。それにまつわる言葉、文化、行事もなくなるので、大げさに言うとひとつの季節がなくなるということかもしれません。
そして、桜の変化はひとつの象徴に過ぎないのです。これまでにないような豪雨や猛暑といった大変なこともすでに起こっています。
こうした事態を防ぐためにも、何としても温暖化を止めたい。それが私の心からの思いです」(伊藤先生)
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写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)空ごよみさん