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カルシウムが牛乳の9倍? 旬を迎えているひじきの栄養効果

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2025/03/01 09:57 ウェザーニュース

古くから日本には欠かせない食材の一つでもあるひじき。これからが旬の時季に入ります。

ウェザーニュースで「ひじき、好き? 嫌い?」というアンケート調査を実施したところ、「好き」と答えた人が全体の93%を占めました。
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ひじきは非常に栄養成分が多く含まれる食材ですが、意外とその栄養効果や効能などは詳しく知られていないようです。

そこで、井上海産物店(宮城県石巻市)の代表取締役、井上一雄さんに詳しい話を伺いました。

ひじきの旬は短い

ひじきは褐藻類に分類される海藻の一種です。

「北海道の南部から広域で収穫されますが、比較的温暖な海で生育しやすいため、太平洋側や瀬戸内海の方が収穫量が多い傾向にあります。

ひじきは、夏以降の海水温が上昇する時期に生長し、翌年の春ごろに旬を迎えます。そこで収穫されますが、旬を過ぎると葉が固くなってしまうので、旬の時季に収穫されたものが乾燥ひじきとして加工されて1年を通して販売されています。

生ひじきをあまり見かけないのは、旬の時季が短いためです」(井上さん)

ひじきのカルシウムは牛乳の約9倍

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ひじきは低カロリーでありながら、すぐれた栄養素を含んでいるのです。

「具体的には、カルシウムと食物繊維、マグネシウムが豊富で、特にカルシウムは、100gあたりではひじき(乾燥)は1000mgに対して牛乳は110mgなので、牛乳の約9倍も含まれています。骨の成長や骨粗鬆症予防には重要な栄養素ですが、ひじきのカルシウム含有量は、海藻類の中でもトップクラスといえます。

食物繊維は腸の活動を活発にし、体内の脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して排出する働きがありますが、ひじきには100g中51.8gとたっぷり含まれています。これはごぼうの約10倍に相当します。

また、酵素の働きをサポートし、循環器系の健康を維持する必須ミネラルであるマグネシウムも豊富です。

さらに、体内のナトリウムの排出を助ける栄養素であるカリウムもたっぷりで、高血圧防止にも効果があるとされています」(井上さん)

栄養流出を防ぐ戻し方

ひじきは乾物として販売されることが多いですが、豊富な栄養が流出しないように戻す方法を教えてください。

「ひじきの戻し方ですが、さっと洗ってから20~30分たっぷりの水に浸し、指でつまんでみて、潰れるぐらいがちょうどよい固さです。

熱湯を使うと10分程度で戻すことができます。しかし、茹でてしまうとより栄養成分が流出してしまうので、水かお湯で戻す方法をおすすめします」(井上さん)

ひじきを選ぶ際には、基本的には生の状態では光沢がある黒色、茎がピンと張っているものが良品で、全体に葉の大きさがそろっているものを選ぶようにすると良いそうです。

旬のひじきを、上手に調理して豊富な栄養成分を美味しくいただきましょう。
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