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【鴻雁来】合理的な飛び方で長旅もへっちゃら!

2017/10/08 04:55 ウェザーニュース

8日は七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」。
日本で冬を過ごす雁が、ツバメと入れ違いに北から渡ってくる時期です。

雁はどんな鳥?

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雁は、カモより大きく、白鳥よりも小さいカモ目カモ科の水鳥の総称。
9月末頃から日本に渡ってきます。
日本に飛来する雁の8割近くが越冬することから、宮城県では県鳥に指定されています。
宮城県北部にある蕪栗沼や伊豆沼の他に、北海道の宮島沼、新潟県の福島潟も雁の飛来地として有名なようです。

昔は、雁の狩猟が行われていたようですが、現在では保護対象となっており、繁殖地の減少などが懸念されています。

長旅を経て日本へ

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雁は繁殖地であるロシアからはるばる日本にやってきます。
雁の繁殖地は北極圏に近いため、夏が短く、8月下旬になれば雪が降り出します。
夜を過ごす湖沼が雪や氷に覆われてしまうと、生活ができなくなってしまうので、拠点を南に移していきます。

渡り経路としては、
繁殖地(ペクルニイ湖)→カムチャッカ半島→北海道→秋田県→宮城県
飛行する距離は実に4000km!
なんとも果てしない距離ですが、この長い距離を渡るために雁たちはある工夫をしているんです。

合理的な飛び方

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雁の仲間はV字に編隊を組み、長距離を移動します。
もちろんこれはパフォーマンスではなく、しっかりとした理由があります。

鳥が空を飛ぶ時、羽をパタパタと上下させますが、この時、上昇気流が生まれます。斜め後ろを飛ぶ鳥がこの上昇気流にうまくのると、体を持ち上げる力が発生するため、少ないエネルギーで飛ぶことができます。

ちなみに、先頭はかなり体力を使うため、ずっと同じ雁が担当するのではなく、時折交代します。
そうして、1匹で飛ぶよりも遥かに長い距離の飛行を可能にしているのです。

参考資料など

【参考・参照元】
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)「目撃者の証言:ガンの「渡り」が変わってゆく」https://www.wwf.or.jp/activities/climate/witness/2010/04/post-125.html
雁の里親友の会「ガン類の主な渡来地」http://shibalabo.eco.coocan.jp/top/1-1/1-1-3/jpmap.htm
マイナビニュース「渡り鳥が作るV字型編隊の謎」http://news.mynavi.jp/column/dokodemo_science/030/